2023年1月15日日曜日

『ジェンダー史学』新投稿規定

 『ジェンダー史学』投稿規定につきましては、こちらの最新版(2022 年 6 ⽉ 26 ⽇改訂)をご参照ください。


2023年1月13日金曜日

ジェンダー史学会2023年度会員企画の公募

ジェンダー史学会2023年度会員企画を募集します!  
どうぞふるってご応募ください。     

 [助成の趣旨] 
ジェンダー史の視点に立って会員が企画するシンポジウム、ワークショップ、講演など、会員をはじめ広くその内容を還元できるものに対して、助成金を提供する。ただし、企画、準備、実施(会場決定、受付業務等のロジスティックスも含める)はすべて応募者の責任において行うこととする。 

 [助成金対象範囲] 
・ジェンダー史に関する研究成果を公開するシンポジウム、ワークショップ、講演などで、営利目的としないもの。 
・同一のテーマで他団体から研究助成、フェローシップ等の助成金を同時受給している場合は、応募用紙に明記すること。 

 [助成事業実施時期] 
・助成金を得て申請事業を実施する期間は、2023年4月から10月末までとする。 

 [応募者の資格] 
・応募者は会員2名以上であること(内1名は代表者)。 (但し、応募時に会員でなくとも、入会申込書を提出すれば仮受領として受け付ける。今年度会費は事業実施前までに必ず納入すること)   

 [助成金額]
 ・年間予算は150,000円である。 
・受給金額は申請金額より減額される場合がある。 
・受給件数は複数となる場合もある。

 [審査方法] 
・書類をもとに常任理事会で審査のうえ、助成対象団体と金額を決定する。 ・審査に必要な提出書類

 [応募用紙] 
1通(本ウェブサイトよりダウンロード) 

 [応募用紙送付先および募集期間について] 
1.募集期間:2023年1月10日から同年2月28日まで 
2.提出締切日:2023年2月28日   締切日以降に応募書類に資料等の追加はできない。 
3. 応募用紙の送付先および本件に関する問い合わせ先   お茶の水学術事業会内 ジェンダー史学会事務局  Email: ghaj-info@npo-ochanomizu.org 
4. 応募用紙は上記事務局へメールで送る。 
5. 採用の可否については、3月に開催される常任理事・理事・参与会で決定し、2023年3月中に通知する。 

 [参考(2021年度採択された会員企画)2件] (2022年度は応募がなく不開催)
・会員企画「教育×ジェンダー×歴史」セミナー、2021年9月18日開催、ZOOM  
・会員企画「1987年民主化後の台湾と韓国におけるフェミニズムと文学」2021年9月25日ZOOM

2022年10月24日月曜日

2022年度ジェンダー史学会第19回大会 自由論題 プログラム

 部会A 司会:前川直哉(福島大学)  10:00―10:30

◆楊雅韻(京都大学博士課程)
「近代日本の化粧をめぐる男/女の境界線」
10:35―11:05
◆河野夏生(奈良女子大学博士課程)
「女性の体毛をめぐるイメージの変容―小説にみる女性身体の表象を中心に」

部会B 司会:佐久間亜紀(慶應義塾大学) 10:00―10:30
◆小玉亮子(お茶の水女子大学)
「幼児教育と母なるもの:戦争と復興の時代のペスタロッチ・フレーベルハウス」
10:35―11:05
◆國原美佐子(東京女子大学)
「日露戦争時の外国人女性の戦時救護活動視察」
11:10―11:40
◆富田裕子(長野県立大学)
「大江スミの英国留学と帰国後の業績」

部会C 司会:兼子歩(明治大学) 10:00―10:30
◆小野仁美(東京大学)
「イスラーム法における男女間の身体的な性差をめぐる記述」
10:35―11:05
◆山家悠平(京都大学)
「松村喬子「地獄の反逆者」(1929)の描く娼妓かるたの告発――新聞報道との対比を中心に」
11:10―11:40
◆福永玄弥(日本大学、日本学術振興会特別研究員PD)
「フェミニストと保守の奇妙な〈連帯〉:韓国のトランス排除言説を中心に」


*それぞれの報告要旨は、近日中にホームページ掲載予定です。いましばらくお待ちください。


第19回 ジェンダー史学会年次大会 登録フォーム

 「第19回ジェンダー史学会年次大会」への登録フォームです。


今大会は、立教大学(池袋)にて2022年12月11日(日)に開催いたします。
みなさま、こちらから参加登録をお願いいたします。

10:00~11:30 自由論題 (会員向け、対面参加のみ)
12:30~13:15  総会 (会員向け、対面参加のみ) 
13:30~17:30  シンポジウム「グローバル・ヒストリーとジェンダー」(非会員も参加可、対面とウェビナーのハイブリッド実施予定)

*非会員のみなさまは、午後のシンポジウムのみオンラインでの参加が可能となっております。
技術上の理由でご登録のみなさま全員にウェビナーURLが配信されますこと、ご容赦ください。

登録URL

2022年10月15日土曜日

第19回 ジェンダー史学会 大会シンポジウム 「グローバル・ヒストリーとジェンダー」

2022年12月11日(日)13:30~17:30  

立教大学 池袋キャンパス 14号館3階 D301教室

趣旨説明

グローバル・ヒストリーという概念が日本に登場して、ほぼ四半世紀が経つ。日本でも多くの歴史家が、グローバル・ヒストリーや「新しい世界史」の意義を論じて研究を展開し、ケネス・ポメランツ、パミラ・カイル・クロスリー、ゼバスティアン・コンラートらによるグローバル・ヒストリーの基本文献も翻訳されている。果たして、隆盛するグローバル・ヒストリーにおいて、ジェンダーやセクシュアリティの分析視座は備わっているのだろうか。他方、ジェンダー史学はグローバル・ヒストリーにどのように向き合い、どのような視座を獲得してきたのだろうか。

グローバル・ヒストリー、あるいは「新しい世界史」の定義はさまざまであるが、西洋中心史観からの脱却、国家の枠組みの相対化とグローバルな空間・文脈の意識、「反近代」「ポスト近代」、歴史の主体の多様性といった共通項をここでは押さえておきたい。そう考えるならば、これまでもトランスナショナル・ヒストリー、(国際)比較史、交流史、植民地の歴史、帝国の歴史、移動の歴史といった枠組みにおいて、女性史・ジェンダー史の研究は実り豊かに展開されてきた。

「グローバル・ジェンダー・ヒストリー」の叙述は可能か否か。そのような主題を大上段に構えつつ、「グローバル時代の歴史学」が探究される現在、本シンポジウムでは三名の報告者を迎え、研究の今と展望について議論を深めたい。

 第一報告では、並河葉子氏に、西インドの女性の奴隷たちを対象として、奴隷からの解放とその後の生について論じていただく。奴隷制の時代と法的奴隷制廃止の時代の二つを比べながら、女性の奴隷たちの生が「自由」と「不自由」という観点から再考される。

 第二報告では、嶽本新奈氏に、渡航先の性売買に焦点化されてきた「からゆきさん」を取り上げ、娼館を出てからの女性たちの経験を捕捉いただく。イギリスの海峡植民地にわたった元「からゆきさん」の足跡をたどり、経済的営為の定義と意味の再検討が行われる。

 第三報告では、山本めゆ氏に、満蒙開拓団の女性について論じていただく。敗戦直後より性暴力を含めてさまざまな苦難に見舞われた彼女たちの対処は多様かつ非均質的で、それに対する日本社会のまなざしはしばしば冷淡なものだった。帝国の周縁における女性たちの非定形的な実践を把握・記述する方途が探られる。

 これらの報告に対し、イギリス帝国史研究の観点から井野瀬久美恵氏に、『「ひと」から問う世界史』の編者という立場から三成美保氏にコメントをいただき、フロアも含めた全体の議論へと進む。


報告者:並河葉子(神戸市外国語大学)「西インドにおける女性の奴隷の移動と自由と不自由」

嶽本新奈(お茶の水女子大学)「ある「からゆきさん」の語りからみる女性の経験」

山本めゆ(立命館大学)「無力な犠牲者か、創造的な主体か――満蒙開拓団の女性たちの

           敗戦と帰還から」


コメンテーター:井野瀬久美恵(甲南大学)

        三成美保(追手門学院大学)


司会:弓削尚子(早稲田大学)


2022年6月16日木曜日

第19回年次大会自由論題研究発表の募集(6/30まで)

ジェンダー史学会第19回年次大会は、2022年12月11日(日)に立教大学にて開催する予定です。この大会における自由論題での研究発表(午前10時~午後12時15分の予定)を、会員の皆様から個人とパネルの2形式で募っております。

研究発表をご希望の方、またはグループは、2022年6月30日(木)までに下記の要領で大会運営委員会までお申し込み下さい。 

形式: 
1.個人(時間:発表20分、質疑応答10分) 
2.パネル(時間:発表、質疑応答を含め午前10時~午後12時15分の時間内で行う。報告者は3名以上で、報告者・司会・ディスカッサントは学会員のみ) 

申し込み方法:エントリーシート(下記よりダウンロード)に必要事項を記入の上、電子メールまたは郵便(申し込み締切日必着)で大会運営委員会までお申し込み下さい。 
*エントリーシート

司会:個人発表につきましては、大会運営委員会で準備いたします。パネル形式の場合は、発表グループの方でご準備下さい。 

申し込み先: 
1)E-mailの場合;gender-jiyurondai@googlegroups.com 
2)郵便の場合; 〒112-8610 東京都文京区大塚2-1-1お茶の水女子大学 理学部3号館204
 お茶の水学術事業会内 ジェンダー史学会事務局 
 ジェンダー史学会 第19回年次大会運営委員会 宛 

※ただし、昨年度より、自由論題のエントリーは2年連続までとなり、3年連続でのエントリーは不可となりましたので、そのルールを踏まえて、エントリーをお願いいたします。 
※研究発表の採否につきましては、2022年7月下旬に、電子メールまたは郵便で通知させていただきます。時間の制約その他の事情により、やむを得ずお申し込みにお応えできない場合もありますことを、あらかじめご了承下さい。 
※なお、新型コロナ感染対策のため、昨年度に引き続き今年度も大会がオンライン開催となる可能性もあります。ご承知おきください。

2021年10月1日金曜日

ジェンダー史学会 第18回年次大会(2021年)

 ジェンダー史学会 第18回年次大会(2021年) 


ジェンダー史学会第18回年次大会は、2021年12月12日(日)、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、オンラインで開催する予定です。

●日時:2021年12月12日(日)10:00〜17:30
●会議プラットフォーム:Zoom
●実施校:同志社大学
●タイム・スケジュール(詳細は下記)
受付開始 9:30〜
自由論題およびパネル報告 10:00〜12:15
総会 12:30〜13:15
シンポジウム 13:30〜17:30
●大会参加費  無料

※参加手続き及び関係事項
・参加を希望される方は、12月5日(日)までに、こちらのフォーム〔https://forms.gle/gvNVgHg57hNuPRbJ6から事前登録をお願いいたします。接続先URLは、参加登録をされた方に後日お知らせします。

自由論題報告 題目&タイム・スケジュール 

部会 A  司会:田中 亜以子(一橋大学)            
10:00―10:30
◆山田 千聡(名古屋女子大学)
「料理のジェンダー化―19 世紀英米のレシピから読み解く近代主婦規範―」
10:35―11:05
◆小関 孝子(跡見学園女子大学)
「大正中期における職業としての『女給』」
11:10―11:40
◆原田 理子(関西学院大学博士課程)
「日本の性科学における女性同性愛者―科学による排除の肯定―」

部会 B 司会:野本京子(東京外国語大学名誉教授)             
10:00―10:30
◆クロエ ベレック(東北大学)
「ジェンダーの視点から見た薙刀の歴史――中世における武士の武器から近世における
武家女性の武器へ」
10:35―11:05
◆橋村 愛子(金沢大学、日本学術振興会特別研究員 RPD)
「日本中世絵画にみる仏道修行者としての苦しみの女――食・酒・病と良医妙薬喩(法華
経寿量品)の図像を中心に――」
11:10―11:40
◆陣内 恵梨(大阪大学博士課程)
「神功皇后図像の再検証――1880−90 年代の女権運動における神功皇后の読み替え――」

部会 C 司会:加藤 千香子(横浜国立大学)          
10:00―10:30
◆今井 小の実(関西学院大学)
「軍事救護法の成立と愛国婦人会の組織におけるジェンダー強化」
10:35―11:05
◆崔 誠姫(日本女子大学)
「奈良女子高等師範学校の朝鮮人留学生」
11:10―11:40
◆楊 雅韻(京都大学博士課程)
「戦後日本における男性性の再構築ー化粧を事例に」

部会 D (パネル報告)                   
10:00―11:00
◆代表者:杉村 使乃 (共立女子大学)
題目: 「戦後の女性警察官表象とキャリア形成における国際比較」
報告者 1 杉村 使乃(共立女子大学)
「イギリス女性警察官表象」
報告者 2 平塚 博子(日本大学)
「アメリカの大衆メディアにおける女性警察と制服の表象」
司会・ディスカッサント 池川 玲子(日本女子大学)

部会 E (パネル報告)                   
10:00―11:00
◆代表者:並河 葉子(神戸市外国語大学)
題目: 「女性たちの『生』を可視化する―ジェンダーからみるイギリス帝国」
報告 1 並河 葉子(神戸市外国語大学)
「イギリス領西インドにおける奴隷の女性たちの生殖管理とその後」
報告 2 森本 真美(神戸女子大学) 
「女をめぐる『感情』―帝国のジェンダーとセクシュアリティ」
報告 3 奥田 伸子(名古屋市立大学)
「第 2 次世界大戦直後における『白人』移民女性とイギリス社会 ―― 戦後イギ
リスにおいて『他者』とは誰であったか?」
司会 並河 葉子
ディスカッサント 長 志珠絵(神戸大学)
 

13:30-17:30 シンポジウム

貧困とジェンダー―「公助」の役割を問う

●趣旨文
「女性の活躍推進」の掛け声のもと、日本において女性の就業率は上昇を遂げたが、働く女性の多くは非正規雇用に従事している。非正規の職員・従業員の56%(2019年)を占める女性のなかには、新型コロナウィルスの感染拡大の直撃を受け、解雇や雇止めに追い込まれた人が数多く存在する。
コロナ禍で職を失い、貧困に陥り、心身の健康が脅かされる人びとが多数に上る一方、現代の日本において「公助」は「自助」「共助」に次ぐものとされ、軽んじられてきた。生活保護の相談件数の急増に福祉事務所の体制が追いつかず、「福祉崩壊」が起きているとの声が上がる。このような状況下において「公助」の果たす役割を問い直すことは喫緊の課題である。
「公助」は歴史的にみて必ずしも女性を解放してきたわけではない。たとえば米国において、伝統的な一夫一婦制をモデルとする家父長的福祉国家は、そのモデルに従わない女性を「逸脱」とみなし異性との法律婚へ誘導する一方、それでも従わない女性には「自助」を要求してきた。米国や日本のみならず、他地域においても、福祉政策がいかに人びとの〈生〉と〈性〉に介入してきたのか、ジェンダー規範をつくりだしてきたのかに留意すべきであろう。
「公助」はどのように「救済に値する者/しない者」の線引きを行い、「女性の貧困」(ないしダイアナ・ピアースが「貧困の女性化」と呼んだ現象)を押しとどめ/生み出してきたのだろうか。その過程において、慈善団体や相互扶助団体、宗教組織、家族、貧困層自身はいかなる役割を果たしたのか。本シンポジウムでは「女性の貧困」を比較史的な視点から問うことを目指したい。
「女性の貧困」は不平等な社会を映し出す鏡でもある。「女性の貧困」を起点とし、人種・エスニシティ、国籍、階級、ジェンダー、セクシュアリティ、障がいに基づく差別の構造を問う必要があるだろう。それは人種主義、新自由主義、排外主義、ホモフォビア、トランスフォビア、障がい者差別と対峙する運動・思想とフェミニズムを繋げる作業となり、「女性」のなかの差異に注目することにもなる。
以上のような多面的な視座に基づき、本シンポジウムでは「貧困とジェンダー」をテーマに、歴史学を中心としながら福祉社会学、貧困研究など学際的視点から「公助」の歴史と今日的意義を問うことを目標とする。
第一報告では、長谷川貴彦氏に、エリザベス救貧法に始まり現代へといたるイギリスを対象として、セーフティネットの解体と再構築という視点から、貧困と福祉の存在形態を明らかにしていただく。同時に、このような分析を可能としている貧困と福祉をめぐる歴史学的アプローチ全体の発展にも言及していただく。
第二報告では、佐藤千登勢氏に、大恐慌期にアメリカの農務省が行った余剰農産物の処理に起源を持ち、その後も農業政策と密接な関係を保ちながら変容を遂げてきたフードスタンプが、余剰農作物の消費拡大という目的の下、家政学や栄養学を通じて、どのように貧困女性が従うべきジェンダー規範を作り出したのかを明らかにしていただく。
第三報告では、丸山里美氏に、女性の貧困は売買春と切り離すことができないことをふまえて、売春防止法にもとづく日本の婦人保護事業について、歴史と現状をたどり、それが女性に何をもたらすものであったかを検討していただく。

●報告者
第一報告 長谷川貴彦(北海道大学)
「『貧困』と『福祉』の歴史学―イギリス近現代史の経験から」
第二報告 佐藤千登勢(筑波大学)
「低所得者への食糧支援とジェンダー―大恐慌期のアメリカにおけるフードスタンプの始まり」
第三報告 丸山里美(京都大学)
「貧困女性の生/性への介入―日本における売春防止法と婦人保護事業を中心に」

●コメンテーター
石川照子(大妻女子大学)
嵯峨嘉子(大阪府立大学)

●司会
土屋和代(東京大学)