2020年8月6日木曜日

ジェンダー史学会2020年度シンポジウム企画


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開国の前線に立つ女性たち
——近代の性売買におけるインターナショナリティ——
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●日程:20201024日(土) 10:30-17:00
●場所:お茶の水女子大学(対面の場合)・Zoomウェビナー(オンラインの場合)
(※開催方式は状況を見極めて後日決定いたします)
●参加費無料・要参加申込

【開催趣旨】
 日本の芸娼妓たちは、海外からの買春客を相手にすることで開国の前線にいた女性であった。それは政府の外交においても重要な政策として位置付けられていた。並行して、売春のために海を渡った女性たちもいた。彼女たちは出身地の貧困や家族の事情などを背景に、身一つで海外の娼館へ入っただけでなく、そこから新たな国際的交流を生み出していった。このような、インターナショナルな性売買をめぐる歴史は、一国を中心とした歴史叙述では捉え難く、また結婚とは異なり記録にも残ることが少ないが、その歴史は国策や外交の諸相にも影響を与え、国家間・地域間の関係の非対称性をも表象する。
 インターナショナルな性売買の諸相は、日本及びアジアの性をめぐる歴史における重要な一面である。本シンポジウムは、国を超えた性売買の歴史を研究する多様な論者を迎えて議論することを通じ、近代以降の女性史を「家族」や「婚姻」とは別の切り口から書き換えることを目論む。

【タイムスケジュール】
10:00 開場
10:30 開会・趣旨説明(蔭木)
10:45-12:15 第一セッション「海の向こうから極東へ 日本女性を買春する越境者」(進行役:嶽本)
12:15-13:00 ランチタイム
13:30-15:00 第二セッション「アジア・太平洋地域におけるインターナショナルな性売買の諸相」(進行役:蔭木)
15:00-15:15 コーヒーブレイク
15:15-16:15 全体討論
16:15-16:45 会場質疑
17:00 閉会

【プログラム】
〈第一セッション:海の向こうから極東へ 日本女性を買春する越境者〉
進行役:嶽本新奈 (各20分・質疑10分)
◆松井洋子(東京大学)
長崎と丸山遊女 —— 異文化接触の場と売買春
◆茶園敏美(京都大学)
占領地女性とGIとの親密性と占領軍の性病対策 —— フィリピン、韓国、沖縄、日本の事例から
◆蔭木達也(慶應義塾大学)
日本女性史からみた「売淫外交」の起源と展開 —— 高群逸枝『女性の歴史』を中心に

〈第二セッション:アジア・太平洋地域におけるインターナショナルな性売買の諸相〉
進行役:蔭木達也 (各20分・質疑10分)
◆水谷智(同志社大学)
英領インドにおける〈植民地的遭遇〉と女性たち —— 法・道徳・境界
◆大原関一浩(西南学院大学)
ハワイにおける売買春の歴史と日本人
◆嶽本新奈(明治学院大学)
マレーシアにおける日本人女性の経験 —— ある「からゆきさん」の生涯を手掛かりに

〈全体討論:近代の性売買におけるインターナショナリティをどう捉えるか〉
◆討論者:貴堂嘉之(一橋大学)
◆司会進行:嶽本・蔭木

【参加申込】
以下のリンクからお申し込みください。
https://forms.gle/qUeXv6Wsnvw4bLG67

【主催】
ジェンダー史学会・お茶の水女子大学大橋史恵研究室
〈問い合わせ先〉ジェンダー史学会 2020年度シンポジウム企画担当
メール:gh2020kikaku@gmail.com